これわひどい

http://d.hatena.ne.jp/syusei-sakagami/20091209/1260385560


プロ文芸批評氏による「エロゲーの未来について真剣に考える」と題されたエントリ。あんまり、ひどかったので、発作的に書く。


好意的に読むなら、「昔は、面白いエロゲがあった。セカイ系とかループとか好き。流行った結果、沢山でて食傷したけど、また、ああいうエロゲで面白いやつがでないかな」という感想文。


なんというか、これだけで、この人の考える「エロゲ」というのが、狭い範囲であることが分かる。別に、趣味が狭いのは構わない。感想としてはありだろう。
ただ、その狭さのまま、プロ批評家が、ジャンルを批評して断罪するのは、犯罪的怠慢である。


最悪なのは、この人が無能ということではなく(無能なのだが)、無知と偏見を広めること、それ自体で金を取ってる、ということだ。

ぶっちゃけ今のエロゲ業界はライターでいえば5人くらいで回っている(象徴的な意味では)。奈須きのこ田中ロミオ丸戸史明を押さえとけば大体分かる。

5人だけで回ってるわけもない。
(こういう人たちの)エロゲ批評が、その5人だけで回ってるに過ぎない。
分かるわけもない。「分かった気がする」だけだ。


奈須と田中と丸戸あたりを適当に使い、あとはアリバイ的に、その時々の尖った人を入れれば、「それっぽい話」は、いくらでも量産できる。
エロゲをまともに遊んでなくても、「丸戸はいいよね。他は、最近、あんまりぱっとしないね」とか言っておけば、知ったかぶりはできる。


「それっぽい話」をしたい人、「知ったかぶり」をしたい人はいつだっていて、彼らに向けて、バズワードを売って儲けるのが、一つの商売として成立するのだろう。


そうやって、自分達だけのジャーゴンで、批評価値を作り、外部に向けて盛大に「今のエロゲは、セカイ系でループ構造がポストモダンゼロ年代だからすごいんですよ!」と言ってまわって、勘違いした人を増やす。
そうやって大ヒット作の説得力に、そのまま乗っかる形で、批評を回す。


結局、彼らは、自分で価値を作ることができない。
大ヒットした作品に、後付けで適当なジャーゴンをくっつけて、それをセットで売る。
大ヒットが去った時には、「この業界はもう腐った」と言って、また別の売れてるジャンルに移動する。


セカイ系やループはテンプレ化して、今のエロゲは停滞しているそうだ。
なんと空疎な……どこまでも空疎なマッチポンプ
否。マッチポンプですらない焼き畑農業。


貧しさという言葉の意味を、じっくりと噛みしめている。