2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

今回は(ようやくというべきか)ハカギックスの内容説明&予告。 この評論本の編集にあたって、編集部は、1996年の『雫』で始まったひとつの時代――「美少女ゲーム運動」の時代――が、いままさに終わりつつあるという仮説を立てました。 (更科、元長、佐藤氏…

その3 メディアミックス戦略の偽善的拡大

いちばん気になるのがここ。 東の論拠は以下の通り。・「イノセンス」はオタ向けマニアック作品であるのに、一般に向けて宣伝された。 ・「スチームボーイ」は、大友作品なのに、中身空っぽのダメ作品となってしまった。 ・コンテンツビジネスがどうこういっ…

その2 国家的威信

モノ作りで負けて来て、コンピュータソフトとかでもまずいんで、日本は、コンテンツビジネスに色気を出してるらしい。 オタクのコンテンツを、日本の国際的なプレゼンスを高めるために使う動きは、いまや政策レベルで動き始めている。 のだそうだ。 ほうそう…

その1:世代的な混乱

人気のある作品について、「第1世代、第2世代」に受けた作品と、「第3世代」に受けた作品が、いっしょくたになっている。そのままだとブームが方向性を見失う、だそうだ。 何度も書いているが、このへん、一番、見失ってるのは東浩紀なので、どうでもいい…

オタクバブルって?

東は、例えばポケモンのような大衆・子供向け作品ではなく、 マイナーでマニアックな作品群、つまりは「オタク」のコンテンツが、そのまま社会的認知を受け始めているように見えるのである。 と語る。 いや、受けてないって。 メディアミックスやらコンテン…

クリエーターを「保護」すること

今回は、オタクバブルへの不安について。

今回は、ファウストとのプロレスを離れて*1、なぜ、波状言論なりハカギックスなりを出すようになったか。 東は、批評家になるには、おおざっぱに3つのルートがあると主張し、その問題点について語る。 一つは、文芸誌や論壇誌における新人賞システムであり…

引き続き、「九十九十九」について(以下、ネタバレあり)。 「九十九十九」のクライマックスでは、3人の「九十九十九」が一同に会する。 3人とも自分のいる場所がメタフィクションの中であることを認識している。 一人目は、この世界は「神」が生み出した…

http://www.hirokiazuma.com/hakagix/ 目次公開。例によって色々とつっこみどころはありますが、とりあえず、ここ。 ただのマップと年表じゃない。「プレ-ファウスト系」「メタギャルゲー」など新カテゴリー満載の、「葉鍵ックス」の名に相応しい歴史観に支…

Hajou-Hakagix

新記事のため、日付改め。

http://www.hirokiazuma.com/archives/000098.html 『ファウスト』はむろん太田さんの個人誌なのですが、もしその編集方針に僕が多少とも貢献できたとするのなら、そちらのほうの起源は、伝奇でもメディアミックスでもない、この本に書かれたようなヴィジョ…

http://www.hirokiazuma.com/archives/000051.html しかし、今回の騒ぎを見るかぎり、文芸業界はまたもやくだらないスターシステムで延命を図るつもりのようにも見えます。もしそうだとすれば、僕はそれには軽蔑しか感じません。だからネタにもしません。 ht…

バブル?

http://www.hirokiazuma.com/archives/000098.html いま時代はライトノベル・バブルの様相を呈していますが、ブームが過ぎ去っていっても、彼らの作品はちゃんと読まれていくことでしょう。僕はブームにはまったく興味がない(どころか反感をもっている)し…

稿を改めるために、日付を変えました。おちついてもう一度。 現在、美少女ゲームとライトノベルの接点では奈須きのこ氏の作品(『月姫』『空の境界』『Fate/stay night』)が突出して持ち上げられていますが、これは必ずしもよい状況ではありません。そもそ…