http://diary.note.ne.jp/d/38638/20040325.html

実は私は月姫がどのくらいの認知度があったのかが、よくわからないのですね。
もっと言えば、月姫が認知されていたのは(コミケにいくような)エロゲオタ/エロゲ業界周辺だけだったんじゃないのかな、と思うのです。そして、エロゲオタ周辺を超えて月姫が認知されたのは、商業宣伝ルートに乗ってから、具体的に言うとアニメ化の話が出てからではないのかな、と思います。
そしてそれは、同人をやっている人間=同人関係者で絶大な認知度を誇った高河ゆんとか尾崎南とかCLAMPの認知度とどれほどの差異があるのかが疑問なのです。

 まず、タイプムーンの辿った軌跡が、高河ゆんCLAMPと同じである、というのはその通りだと思います。月姫が画期的、というなら、「最近のゲーム業界だと」とか限定する必要がありますね。

 認知度の問題なんですが。多分、こういうことだと思います。

 漫画読み全体の人口の中で、同人誌のオリジナルに目を向けている人は、非常に少ない。1%とか0.1%とか、基本的には無視していいくらいだと思います。つまり、高河ゆんの潜在読者層があるとして、同人の高河ゆんに気づいてる人たちというのは、割合的に非常に少なかった。

 一方、エロゲの場合、元人口が少なく、マニアの比率が多い。ネットに繋がってる可能性も高く、同人の「月姫」を買った人、気づいていた人の割合は、遙かに高かったはずです。月姫の潜在プレイヤーの中で、「名前くらいなら聞いたことがある」程度なら、4割、5割いったんじゃないかという。

 繰り返しになっちゃいますが、エロゲ/ギャルゲ市場というのは、ほとんどマニアしかいないちっちゃな市場なんですね。そのマニアのほとんどが、ネットで緊密につながっており、消費する流行を求めている。
 それによって、同人作品が、同人作品のままで(月姫は、そのへんの普通の商業エロゲーよりも遙かに売れてます)商業を超える人気が出ることが可能になる。そのへんは、それなりに珍しかった、とは言えると思います。