データベース消費

 前者の消費活動の分類に関しては、大きく評価できよう。第一世代、第二世代、第三世代という区分については単純すぎて、そのまま受け入れられない面もあるが、データベース消費という概念自体は、オタクの活動を、うまく現す、非常に優秀な概念である。

 東は主に、キャラ萌えの記号を中心にデータベース化しているが、これはどんどん拡張していけるだろう。SF読みのSFについての萌えポイント、ミステリ読みのミステリについての萌えポイント、メカ萌えのメカ萌えポイント。現代思想オタクの現代思想萌えポイントだってあるだろう。

 いずれにせよ、そうした萌えポイントを、オタクは、ジャンルも媒体も越えて縦横に組み合わせ、その組み合わせ自体を消費する、というのは、オタクの実体を現す、良いモデルとなるだろう。

 もう少し進めるなら、オタクにとってのアイデンティティというのは、こうしたデータベース、その時々に好きな作品の順列組み合わせである、とすら、言っていいかもしれない。