オタクの定義には懐疑的
過去にぼくはid:hhosono:20031207#p2において、オタクの記述を試みました。この試みがオタクに対する記述として正確かどうかは、読者諸賢のご意見を待ちたいところですが、やはり狭義のオタクの枠をぼんやりとしたものでも提示することは、今後、少しずつ試みていくつもりです。
さて、細野さんとは「メロンブックスでエロ漫画と同人買ってるお兄さん」が男性オタクであることは合意できた。
オタクの定義というのをもってこられた場合、私は、この「メロンブックスの兄ちゃん」に当てはめて考えてしまう。
彼はコミケに行くだろうか? 行くかもしれないし、行かないかもしれない。
細野さんの言う、古いオタクのように「文脈の読み替え」にこだわるだろうか。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
キャラへの愛好(萌え)を中心に据えるだろうか? そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
結局のところ、オタクは集団なので、どんな定義をもってくるにせよ、当てはまる人間と当てはまらない人間が出る。
「オタクの定義」というのは、「私はオタクの多くがもつ、この性質に注目しています」ということだけで、それ以上でもそれ以下でもない。どの性質を大切なものと見なすか、という点で、イデオロギー論争が起こりやすい。
なのでまぁ、「定義」とか「枠」とか言わずに、「オタクの多くがもっている、この性質が面白い」とだけ言うのが角が立たないんじゃないかと思う次第。
個人的には、オタクとはオタク向け作品の消費者層である、という操作的定義が一番中立に近いと思う。