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前書きによれば、本書は、オタクと一般層の間の橋渡しをして、風通しをよくするために書かれたそうである。
まず、そこに危惧がある。本書は書名の通り「ポストモダン」を通じて、そのへんの説明をするものである。
普通の人はポストモダンについてよく知らない。オタクの説明をポストモダンで行う、というのは、知らないものの説明を、別の知らないもので行う、ということで、困難が伴うのは言うまでもない。
では、なぜ、そんなことをするか?
善意に解釈すれば、筆者はオタクを説明する上で、ポストモダンという枠組みが、本当に必要とされていると考えたことになる。
悪く考えた場合は、関係ないものを適当にくっつけて、小難しく説明することが、何かの功績であると勘違いしている場合が考えられる。
無論、この二つは両立する。当人は善意で画期的な発見をしたつもりなんだが、小難しい無意味な関連づけごっこを延々繰り返すだけになってるような場合だ。
では、本文を見ていこう。