2003/09/19*1

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 のっけから何かと思われるでしょうが、まぁ小学生が、よくやるような落書きです。こんなんでも、じっと見てると、女体に見えてくる(笑)。小学生、中学生の頃は、意外と、こんなのでも興奮したものです。
 大人でも、女子禁制、エロ本無しの環境にずっといたら、こんなんでも興奮するかもしれません。

 かように男の性というのは、機械的に記号に反応する性質を持っており、そういう意味、動物的と言ってもいい。

 ただ、当たり前のことですが、

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 じゃ、お金は取れませんよね。

 さてさて、今回の記事は、まぁ雑誌「ファウスト」の宣伝なので、ツッコミは酷かもしれませんが、それにしても非道かった。

一定年齢以上のオタクなら頷いてくれると思うが、もともとアニメを見る行為は、視覚的な快楽と密接に結びついていた。そして、その快楽は、とにかく絵がよく動くこと、大量の情報が画面の中に描き込まれていることに大きく依存していた。

 と前置きしたうえで、最近の「萌え革命以降のアニメファン」は、

したがって、作画がマズかろうが、動きが平板だろうが、そんなものはアニメを見るうえでまったく障害にならない。彼らは、アニメを見ているようで、実はアニメそのものは見ていない。漫画にしろアニメにしろゲームにしろ、彼らにとっては、脳内に萌の対象を作り出すために必要な情報を引き出す一種のデータベースでしかなくなっているようだ。

 と説明します。

 なんというかまぁ、ジジィ説教ですな。「おまえたちは、真面目にアニメというものを見ておらん! 作画というものを、わかっておらん! わしは、その昔……」とか言う。

 その是非は、ここでは、一旦起きましょう。

 ですが、「作画がマズかろうが、動きが平板だろうが」? そんなわきゃないでしょう。

 どうも東氏は、一貫して、「萌え記号で作られた作品」と「作品自体の質」を混同してるところがありますが、まさか、ここまで素直にそう思ってるとは思いませんでした。

 動物的に萌え記号に引かれる側面は当然あります。「猫耳メイド、カマン!」なオタクはいます。「猫耳メイド」なアニメが出れば、第1話くらいはチェックします。

 でも、だからって質の善し悪しが存在しないわけじゃないのです。記号が同じだろうが、絵が下手なら萌えないし抜けないのです。一話の作画や動きがヘタレてたら、そのオタクは、二度と、そのアニメは見ないのです。金も時間も無限にはないんですから。

 アニメの作画ってのは、善し悪しが非常にダイレクトに出ます。深く考えなくても、やはり作画の乱れというのは、すぐに目に付き、見る側の萌えをけずります。というか、萌え絵を受け手が何も考えず動物的に消費できるように、作り手は、作画のレベルを上げ、演出に心を砕き、ストーリーを作るのです。

 アニメオタクが、本当に「作画がマズかろうが、動きが平板だろうが、そんなものはアニメを見るうえでまったく障害にならない」なら、なぜアニメ会社の人は、あれだけ切磋琢磨してるんでしょうね。

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 東氏の言ってるのは、上と、プレイボーイのピンナップが、オタクにおいては同じだってことです。そこまで抽象化して記号を消費するオタクはこの世にいません

 さて、この後、東氏は、「アニオタが中心の時代は終わった」と断じ、オタクは、絵の動きそのものではなく、脳内補完によって萌え記号自体を消費するので、アニメは没落し、文章やイラスト中心の、ライトノベル、ノベルゲームに移行していくのではないか、と述べます。

 最初に書いた通り、そういうジャンルをフォローする「ファウスト」の宣伝記事なので、そういう方向にいくのは仕方ないといえば仕方ないのですが、まぁ、これも、ちょっとなと。

 例えば、深夜枠の、いかにもなオタ向けDVDプロモアニメにせよ、視聴率1%くらいは、結構あるわけです。それはつまり、全国ネットなら、100万人です。関東ローカルだとしても、20万人程度はいるわけです*1

 ライトノベルは、「キノの旅」が、公称130万部だったかな。普通のライトノベルの刷り部数は1〜3万とか、そんなもの。エロゲは、さらに一桁低くて、最高に売れて十万台。2〜3万いけば、大ヒット。普通は1万本以下で争うという過酷な市場です。

 濃いオタの立場から俯瞰してみると、エロゲもラノベもアニメも同じような位置づけに見えるわけですが、実際には、様々な数字の差がある。そういうのを、考えて言ってるのか、それとも、ただ、感覚で物を言ってるのか、そのへんが気になる記事でした。

*1:まぁアニメのDVDを購入する人に限ると、数千人〜なので、エロゲ並ですが