あきれた

 今さら東氏(id:hazuma)に言うこともないだろうが、良い共同体をきちんと維持するには不断の努力が必要である。はてなが使いやすいとしたら、それは、誰かが貴重なお金と時間、頭脳を使っている、ということだ。
 自分にとって気持ちのいい共同体を作ろうというのであれば、そうした努力をまず尊重するところから始まると思う。

 で、今回の「はてなマスター近藤さんを東京に呼ぶオフ」である。

 東氏らが、オフを企画するも、オフをやめるも、勝手だが、その態度が気になる。

 僕たちの行動が一部でたいへん不愉快に思われているらしいことが分かりました。人々の感情を害してまでオフ会を開くのはまったく意味がないので、僕としては、バナーを外し、近藤さんオフにかかわらず今後のオフ会企画などもいったん白紙に戻すことにします。
(中略)
僕としては、仕事と離れた別人格としてわいわい騒ぐ場が確保したかっただけで、内容のあることも書いていないし、特別の注目を集める意図はなかったのですが、はてなのシステムは使ってみると独特の魅力があったので、思わず深入りしてしまいました。更新も、つい当初の予定の何倍もの頻度でやってしまいました。しかし、そのせいで、不愉快に思うひともでてきたようで、こうなってくると、日記を続けるにはいろいろ各方面に配慮する必要がある、ということのようです。

 以上が、東氏がオフ会を止める理由である。つまり、「他人の感情を害したから止める」「多数の人に見られる場合、配慮する必要がある」ということだ。

 これを、無責任、という。

 誰かが感情的に傷ついたから撤回する、と、言うのは易しいが、それは判断基準を他人に預けているだけに過ぎない。また、相手の批判の内、感情的反発だけを取り上げている点も、見過ごせない。

 責任ある態度というのは、自分の発言のどういうところが、どのように問題だったのかをきちんと認めて(あるいはそれが問題でないことを確認し)、その上で、感情を害したことを謝罪する(あるいは謝罪を拒否する)、というものだろう。
 そうせずに、単に「感情的に反発されたから撤回する」とだけ言うのは、逆ギレの一種だ。

 後半の「仕事を離れた別人格」も、こういう場で言うことではなかろう。別人格だから、仕事などの責任ある態度を期待しないでくれ、というようにしか思えない。

 「多数の人に見られる」云々も、言い訳だ。
 確かに影響力のある発言者には大きな責任があるかもしれないが、それ以前に、まず、自分の言葉自体が、どのように適切か不適切だったかを考えるべきだろう。

 これらから読みとれる東氏の考えは、「言葉自体に全く問題はないと思っているが、見る人が多くなったから、問題にするやつが出る。しかたないから撤回する。」ということになる。もしそうなら、それは反省ではない。

 東氏は、多分、共同体に良かれ、と思って、身を引いたつもりでいるのだろう。だが実際には、こういう、「感情問題に過剰反応」「別人格」「多くの人が見てるデリケートな問題だから」という無責任三点セットは、少なくともプラスの影響は生まない。

 いまさら東氏に言うことではなかろうが、発言の内容よりも、評判を優先させ、なんでもかんでも感情問題にすり替えて、他人の顔色を伺って行動する態度こそが、ムラ化を押し進める、最も大きな原因だと思うけど、違います?