こちらのロングインタビューは興奮する。今回のメインは「戯言シリーズ」。くだくだしい解説はいらないだろう。西尾ファンなら、要チェック。

 メルマガを離れた個人的な感想となるが、西尾作品というのは、非常に良くできていると思う。よく「壊れた」部分が、よく取りざたされるが、そのほとんどは、読者の快楽原則から導かれる、選び抜かれた構成である(……と、思える)。

 例えば「戯言」シリーズは、表層を取っ払えば、「実は天才だが昼行灯の主人公」が、「色々な女の子にモテモテ」になり、「ニヒルを気取ってるけど、ホントは熱血で、いざとなると友達のために頑張る」という、非常に願望充足的なストーリーだったりするわけだ。
 こうした安直な願望充足に感じるリアリティのなさや、居心地の悪さを、様々な設定や言い訳(それこそ戯言だ)で、何層にも綿にくるみ、受け入れやすくしているところが独特のテイストとなっている。

 俺が一番気になるのは、西尾氏が、そのあたりを、どこまで意識して、どこまで素でやってるかだなぁ。
 次回、その一端が見えることを期待。