波状言論

相変わらず、西島氏が晒し者になってるんだけど、いいの、これ? 西島氏は、「ほしのこえ」より前に、自作アニメを作っていたそうである。 『エヴァンゲリオン』へのアンサーとして制作したのが『video!』(中略)アニメーション表現としてオタク的な…

今回は引き続き、「表象可能なもの」と「表象不可能なもの」について。 人間は、目の前にあるものを知覚できるだけでなく、その背後にあるもの、時にはありもしないものについて考察できる。それはなぜか? どのように考察できるのか? 東の理論によると、近…

今回のゲストは、「ほしのこえ」の新海誠。 西島:そこで問題なのが、そこに二つ並んだ『ほしのこえ』と『オーバーマン キングゲイナー』(2002-2003年)のキャプ画面の差なんです。偉そうなことを言っている『キングゲイナー』の方が明らかに『ほしのこえ』…

今月は、人間の世界観の変遷について。 カントの「仮象」と「物自体」でもラカンの「想像界」と「現実界」でもなんでもいいが、人間にとって、世界は、「認識&理解できる、経験世界」と、「理解できない物。直接的な感覚の外にあるもの」の二つに分けられる…

ライトノベルを批評するわけ

後半では、東浩紀はライトノベルへの野望を語る。 ラノベに最近、脚光が当たり、それによって、コンテンツビジネスが台頭する。結果、ラノベのコンテンツビジネス=ディズニーランド化に、馴染まない部分が切り捨てられる。 だから、それをすくい上げる批評…

なぜメタフィクションを批評するのか

対談の後編は、なぜ、東浩紀がメタフィクション(だけ)を批評するのかについての質疑応答。 東:あまり僕の話はしたくないんですが、一言で言えば、形式に対して自覚的でありながら、にもかかわらず内容=物語を作れる、という行為に興味があるからですね。…

今回は(ようやくというべきか)ハカギックスの内容説明&予告。 この評論本の編集にあたって、編集部は、1996年の『雫』で始まったひとつの時代――「美少女ゲーム運動」の時代――が、いままさに終わりつつあるという仮説を立てました。 (更科、元長、佐藤氏…

今回は、ファウストとのプロレスを離れて*1、なぜ、波状言論なりハカギックスなりを出すようになったか。 東は、批評家になるには、おおざっぱに3つのルートがあると主張し、その問題点について語る。 一つは、文芸誌や論壇誌における新人賞システムであり…

稿を改めるために、日付を変えました。おちついてもう一度。 現在、美少女ゲームとライトノベルの接点では奈須きのこ氏の作品(『月姫』『空の境界』『Fate/stay night』)が突出して持ち上げられていますが、これは必ずしもよい状況ではありません。そもそ…

「Crypto-survival noteZ」を休載して、美少女ゲーム評論本「ハカギックス」の予告。エロゲがオタク文化の中心だから、評論に値する、という話。エロゲというのを全然知らない人に対する説明としては悪くないが、その分、言ってることに単純化が多いので、一…

ここ最近、「crypto-survival noteZ」の記事しか書いていない。 id:hazuma:20040629より。 さて、まずは残念なお知らせです。著者急病および多忙のため「crypto-survival noteZ」を今号と7月号、休載させていただきます。楽しみにしてくださっている読者の…

映画モデルとコンピュータモデルの話がないな、と、思ったら、今号で書かれていた。 というわけで、おさらい。 東氏によれば、近代というのは、メタレベルと、オブジェクトレベルが、うまく結びついていた時代である。 つまり、一つの大きな価値観があった時…

さてさて、あらぬ方向に話を振り続けてきたcrypto-survival noteZ、10号にしてやっと、モダンとポストモダンの違いについて具体的に言及したのだけれども。 内容が肩すかしなところは変わらない。過去の文章の末尾を見てみよう。 近代社会のネタ/メタ分割…

さて、人は何かを信じるものであり、また、それを疑うものである。 何かを信じる“ベタ”な心は、人が行動するために必要だが、さりとて盲信は危険である。視野が狭ければ、他人のことを考えられなくなる。 一方、自己を客観視する、すなわち“メタ”な立場に立…

今回は、モダンにおける「大きな物語/イデオロギー」について。 モダンにおいては「大きな物語」が共有されポストモダンにおいては、それが崩壊した、ということになってるが、その「大きな物語」って何よ、ということである。 このような主張には多くの反…

この日記を書いていて、コメント欄などで感想をいただく時がある。賛成の時もあるし、反対の時もある。どちらも、参考にさせていただいている。 反対の中には、いくつかのパターンがあり、その中で多いのは、「望月は、東が引用する思想家の主張をわかってい…

ちなみに前半は、東的なポストモダン史観のまとめ。ベタとネタの乖離など。 これまでの東の理論がまとめられている。 ポストモダンな社会とは、単一の価値観がなくなって、複数の価値観が混在する世界である。 よって、そこに住む人間は、単一のリアリティ、…

まずは路線変更について。 当初は、作品論、状況論でアクチュアルな状況を語る予定だったのだが、そっちは波状言論のほかの記事で満たされてるので、こっちでは抽象的な議論をする方向に向かってきたこと。今後、その方向で書くのだそうだ。 抽象議論はいい…

議論の後半で、北田および東は、オタクと主婦が、社会的に作られた地位であるにも関わらず、当人たちが、それを自分の本質だと考えている点で類似している、と指摘する。 順番に見てゆこう。 まず、オタクが社会的に作られた地位であるということ。それはそ…

ベタな感動

「感動」が動員要素になっているという点について、北田は、以下のように書く。 北田:(前略)そういう流れが、弁証法的に必然的な歴史性をもっているかはわかりませんが、1990年代後半からバーっと見られるようになる。2ちゃんねるでも広告というか動員の…

今回のメインは、2ちゃんねるについて。 最初に釘を差して置きたいが、2chに関する議論というのは、大ざっぱすぎるものが多い。 2chは、無数の掲示板の集合体であり、それぞれの掲示板、また掲示板内のスレッドごとに、様々な文化がある。荒らし上等な便所…

今週は、作品批評は脇において、ラカンの三界説を扱う意味について。 東は、ラカンの説が実証性を持たないことを前提に、なぜ、それを意識する必要があるかを語る。 心そのものの働き、たとえば認知科学的な意味ではラカンの説はナンセンスである。だが、特…

森川嘉一郎が、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展にて、オタクと秋葉原をテーマにした展示を行うことになったとのこと。 彼の「趣都の誕生 萌える都市アキハバラ」は読んだが、秋葉原の分析を、年代別に、店舗の変遷を追って調べてゆく事実分析は非常に素…

前半は、昔話と業界のグチ。まぁ皆さん苦労してるんですね、という感じである。 リベラリズムとリバタリアニズムの話に踏み込むも、「リベラリズムは大切だと思うんだけど、現実を前にすると説得力がないんだよね。どうしようか?」というところ。頑張ってく…

今週も本題には近づかなかった。「しろうとうなぎ」みたいなコラムだな、しかし。 前号の「現代ファンタジー」のリアリティの元について、東はボードリヤールの「ハイパーリアル」を引用する。 東によれば、二種類の「ハイパーリアル」がある。 一つはヴァー…

前半は流動性と多様性の矛盾について。 近代においては、システムの様々な部品を、交換可能にすることで、より効率のいいシステムが生まれ、それが広がってきた。それが流動性だ。 例えば会社においては、人間を部品と扱い、一つが壊れても、他ので交換可能…

今回のリレーコラムは、切込隊長。 誰にでもわかる数字とシステムで、ずばり核心に切り込む手つきの鮮やかさよ。 とりあえず、これを読むだけで、今号の価値は十二分にある。

波状転送

東さんのコラム、連載なので途中から読んでもよくわかんないんですけど……みたいなご意見もありましたが、そういう人はバックナンバーを買えるようにしましたのでよろしくお願いします。1回完結で読んでも十分おもしろいと思いますけどね! 爆笑。 あれは1…

今回で4号目。だいたいパターンが見えてきた。 crypto-survival noteZの基本テンプレートは、以下の通り。・作品/アイディアを紹介する。 ・従来のフィクションとは違うことを指摘する。 ・そこに新たなリアルがある、と主張する。 ・ではそれは何なのだろ…

おおざっぱにいうと、「社会を変えたくて、サブカル批評あたりから揺さぶってみたけど、それじゃダメだったので、正面から政治&啓蒙活動に乗り出した」という宮台の苦労話と、「そもそも価値観が相対化された世の中で、なぜ、「あえて」社会を変えるのか?…