日常/非日常

 まず基本的なところから。
 前回の記事のコメント欄では「日常/非日常」という単語が濫用されて話がこんがらがったので、きちんと分けてみよう。*1

 日常、非日常と言った場合、まず、世界設定、風景としての「日常/非日常」がある。この場合、日常は、現代日本の街角だし、非日常は、SF的、ファンタジー的な存在の登場である。コンビニでだべってるのが、日常。そこに怪獣や宇宙人やネコミミ美少女が現れれば、非日常というわけだ。
 こっちの日常/非日常を、マルセルさんにならって「コンビニ/ネコミミ」区分と呼ぼう。

 もう一つには、物語の機能としての「日常/非日常」がある。主人公が普通に暮らしている、どこか退屈でほのぼのとした日々と、それに対して、冒険や事件、危険や興奮を感じるワクワクする「非日常」だ。
 こっちの日常/非日常を、「ケ/ハレ」区分と呼ぼう。

 さて、この2軸は、独立である。つまり、以下の4つが別々に存在する。

 「コンビニ/ネコミミ」日常 「ケ/ハレ」で日常:普通の現代世界で、特に何も起こらない、いつもどおりの日々。
 「コンビニ/ネコミミ」日常「ケ/ハレ」で非日常:普通の現代世界だけど、当人にとっては波瀾万丈。恋に落ちたり、事故にあったりといった事件。
「コンビニ/ネコミミ」非日常 「ケ/ハレ」で日常:異質なものがある世界の中で、当人たちは、ほのぼのと暮らす。「うる星やつら」とかでありがちな風景。
「コンビニ/ネコミミ」非日常「ケ/ハレ」で非日常:異質なものがある世界の中で、冒険に巻き込まれる。よくある少年漫画のストーリー。「悪の超能力者に襲われ、自分も超能力を身につけて戦う」とか。

*1:マルセルさんのご指摘どおりです。感謝。