『存在論的、郵便論的』からより遠くへ    1:タコツボはいかんだろ

 これ読んで、ようやく、東氏(id:hazuma)の問題意識の一端がわかりました。

 現代は、人と人との間の共通の話題がなくなって、みんなが自分の趣味的領域なタコツボで自足するようになる。価値観の違う人と話そうという動機も必要もないから、タコツボの中でのグルーミング的な言葉は育っても、ちゃんとした意見を交わす能力が、どんどんすり減っている。

 このままだと、世の中、ヤバいんじゃないの、と。

 いやはや、それについては100%同意します。

 東氏の「第一世代」「第二世代」「第三世代」「動物化」というのも、そのへんを踏まえると、わかりやすい。

 第一世代の頃は、アニメを通して社会活動も視野にいれていた。
 第二世代の頃は、アニメを見て、「面白れー」とだけ言ってると、眼鏡をかけた、いかついセンパイがでてきて「貴様、ジオンの歴史を知らずして、ガンダムを見たと言えるか!」「ガンダムを見て、その源流たる『宇宙の戦士』を読まぬとは何事だ!」「そもそも植民地主義というのはだな」とか鍛えてくれるみたいな麗しい伝統があった。
 第三世代というのは、そういうのがなくて、単に「アニメ見た。面白い。かっこいい。萌え〜」「うん、萌えだよね〜」で全てが閉じてしまい、そこから何も広がらない。

 例えば要するに、そういう分類なわけですな。

 世代でくくれるのか、とか、とか、ほんとに「エヴァンゲリオン」で断絶してるのか、とか、昔は良かったというのは幻想じゃなかろうかとか、あと趣味で閉じること自体は責められまいとか、そういう問題はさておき、そうした傾向自体はありますし、それを問題視するのは当然だと思います。