面白さの生産

howさんの議論から一旦整理。 まず前提としてオタクの定義というのは沢山あり、一つに決める必要はありません。以下は、望月による個人的なオタクの定義、理想です。賛成、反対意見があればいただけると嬉しいです。 オタクは、面白い作品に価値を見いだす。…

howさんとのコメント欄で、思うことがあったので、少しだけ。オタクとは何かという話だが。この日記では主に、「実際にオタクと呼ばれてる人、自分で呼んでる人」の意味で「オタク」を使っている。「おたくはどう考えるか?」という話があった場合、非常に単…

http://d.hatena.ne.jp/motidukisigeru/20060903#p1 こちらの続き。http://www.hirokiazuma.com/archives/000245.html 東浩紀氏の考察について。果たして、情報財の価値がゼロの社会では、ディベロッパーが幅を利かせるのだろうのか? 未来のことを予測する…

「ゲームの外側」の遊びへの注目 http://amanoudume.s41.xrea.com/2006/09/cedec.html こちらからリンクをいただいていたので、少し。さて、東浩紀氏は、作品とファンの関係について、長い間語ってきた。 美少女ゲームにおいては作品内のゲーム性は失われた…

http://www.hirokiazuma.com/archives/000245.htmlさて、東浩紀氏は、上記でアテンション・エコノミーについて書いていた。少し調べてみた。そもそものアテンション・エコノミーの記述は、Michael H. Goldhaberの以下の講演(だと思う)。 これは1997年のも…

http://blog.japan.cnet.com/geetstate/archives/cat132/ http://ga3.gagaga-lululu.jp/talk/2006/06/0201.html http://ga3.gagaga-lululu.jp/talk/2006/06/0202.html http://ga3.gagaga-lululu.jp/talk/2006/07/0203.html http://ga3.gagaga-lululu.jp/talk…

インタラクションとかなんとか

さて「ゲーム性」という単語が、往々にしてゲームの性質そのものを語るためではなく、「難易度信仰」と「選民思想」を正当化するために持ち出されラベルである、と、昨日書いた。「難しいゲームを理解できる俺、エライ!」というわけだ。「文学性」とか「作…

いろいろあって、1年半ぶり以上の新記事となる。 いや久々に見たら、あまりに変わっていなくて笑ってしまったので。「美少女ゲームはゲームなのか」 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0608/30/news096.html 「インタラクション性よりも、中に描かれ…

学術用語その他

http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20050217#p3 望月さん(id:motidukisigeru)との議論だが、ぼくの意見に対して、望月さんがすぐに反論してくれるのに対して、ぼくの反論は概して遅くなりがちである。近頃はそれがかなりひどくなっている。それはぼくと望月さ…

オタクの定義には懐疑的

http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20050208#p2 了解しました。ただ、ぼくの戦略は、個々のOTAKU系作品を受容している人々や、それぞれの嗜好を一度、棚上げして、OTAKU文化の歴史の中から、それぞれの時代を便宜的に分割して、そこから売れた作品、…

オタクの定義には懐疑的

過去にぼくはid:hhosono:20031207#p2において、オタクの記述を試みました。この試みがオタクに対する記述として正確かどうかは、読者諸賢のご意見を待ちたいところですが、やはり狭義のオタクの枠をぼんやりとしたものでも提示することは、今後、少しずつ試…

オタクの定義?

そもそも、オタクというのは、意味が拡散している言葉なので、万人共通の定義などあるわけがありません。 しかし、そこにおいて「共通の定義がないんだから、言ったもんがち」というのも、言うまでもなく、あやまった行為です。 だいたい急に定義に走るから…

オタクの定義?

http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20050203#p2 望月茂さんのはてな日記id:motidukisigeru:20050123で「僕には細野さんがOTAKUの輪郭を捉えきれていない印象を受けました。捉えている記号の具体例が示されていないから確信ではないのですが…。」という指摘がコ…

記号操作について、その3

今回の望月さんの文章を読んでいて解ったのだが、ぼくと望月さんで共通の見解があるにも関わらず、議論の展開の過程でズレが生じ、それが対立に見え、議論があらぬ方向に向かっている部分があるため、一度、時間を取って熟考し、望月さんの文章に対して、ぼ…

記号操作について、その2

http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20050122#p1 マンガについて考える時、以前にも言及しましたが、それこそ手塚治虫がマンガ記号論を提唱しているように、表象そのものとしてのマンガにおける象徴的記号性は多くの人に指摘されています。ぼくはその文脈で「記…

記号操作について

http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20050122#p1 ぼくがOTAKU文化における記号操作として言いたかったのは、OTAKU文化は主として視覚的な記号の操作を他のジャンルに比べてきわめてラディカルに実践しているということです。 (中略) それに「萌え要…

引き続き、細野さんにいただいた記事についてである。 http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20050120#p2 ぼくの書き方が適切でなかったことによるものですが、上記の文章ではOTAKU文化≒ハッカー・カルチャーであることと、東さんによるある種のハッキングに…

細野さんにいただいた記事についてである。 http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20050119#p1 http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20050120#p1 おそらく、東さんは社会や文化に対する大雑把な見取り図を作り、そこに新たなネットワークを付け加えるという戦略、つまり…

12月号のメタリアルクリティーク。今回は、HajouHakagixこと、「美少女ゲームの臨界点」について。 東の語るところによると、「美少女ゲームの臨界点」の目的は、 美少女ゲーム全体をサーベイすることよりも、まずは「美少女ゲーム」に歴史を見いだすことの…

さて、細野さん(id:hhosono)のところで、望月の議論への批判が始まっています。http://d.hatena.ne.jp/hhosono/20041223#p2 まだ、議論の整理の段階なので、読んでますよ、ということぐらいなのですが、一点。 この中で、ぼくは点は3つめの、東浩紀の批判者…

ぼちぼちはじめます

波状言論の購読費が切れて、なんとなく止まってましたが、冬コミも終わったことだし、ぼちぼち再開しようかと。

相変わらず、西島氏が晒し者になってるんだけど、いいの、これ? 西島氏は、「ほしのこえ」より前に、自作アニメを作っていたそうである。 『エヴァンゲリオン』へのアンサーとして制作したのが『video!』(中略)アニメーション表現としてオタク的な…

今回は引き続き、「表象可能なもの」と「表象不可能なもの」について。 人間は、目の前にあるものを知覚できるだけでなく、その背後にあるもの、時にはありもしないものについて考察できる。それはなぜか? どのように考察できるのか? 東の理論によると、近…

美少女ゲームの想像力

東:(中略)美少女ゲームってどんなポテンシャルがあるのかって、なにも知らない人から訊かれたとき、とりあえず『AIR』と『未来にキスを』を渡すと少しわかるかな、という感じがするんですね。この二つの作品は、美少女ゲームがどういう想像力を備えた…

更科氏の日記より。 http://d.hatena.ne.jp/cuteplus/20040921#p3 例えば、道化っぽく振る舞わないで、『COCO』で書いた評論や『HajouHakagix』共同討議のようにストレートに書くとweb上で「お前の言っていることは妄想だ!」と更科大批判大会*2が発生したり…

メモ

・「ライトノベルと美少女ゲームの交差点を捉える批評的枠組み」(http://www.hirokiazuma.com/archives/000098.html)に期待してたんだが、ライトノベルを中心とした批評、あるいは、単体のライトノベル作品に関する批評は、対談を含めて、一切なし。 マッ…

月姫とほしのこえ

ちょっと戻って、「オタクの外部」について。 東:『月姫』と『ほしのこえ』はほぼ同時に出てきて、両方とも同人からのメジャーブレイクというか、新しいオタクのありかたとして注目されたわけですね。けれど、いま振り返ると、この両者は対照的な方向に行き…

Fateの内面

東と更科は、Fateには、主人公の内面もなければ葛藤もないと説く。 東:(Fateの主人公には)内面がないし葛藤がない。『機動戦士ガンダム』以前の少年の造形だと思う。むしろ『宇宙戦艦ヤマト』に近いでしょう。古代進ってなにも悩んでなかったじゃない(笑…

Fate

その後、AIR話を経過して、Fateに。 東:(中略)ところが、『Fate』にはそういう工夫が一切ない。というか、ゲーム性がほとんどない。(中略)それじゃあ逆に、プレイヤーから自由度を奪うことがなにか作品のテーマに深く関係しているかというと、そういう…

こみパ

長くなりすぎたので、日にちを繰り上げ。 更科:『こみっくパーティ』って、実はおそろしい話があって、『To Heart』のコミカライズは秋からまた始まるんですけど、一度終わってるじゃないですか。それに対して、『こみっくパーティ』のコミカライズはずっと…